①A君との出会い♡
A君との出会いは19歳の頃。私は専門学生だった。
私はアルバイトをしながら専門学校に通っていて、
バイト先の先輩から
「今度学園祭で野球部のメンバーで焼きそば売るからおいで。」
と誘われた。先輩は近くの大学に通う3年生。
高校卒業したばかりの私は大学の学園祭が
どんな感じなのか興味があり、専門学校の
友達を誘って行くことになった。
学園祭当日。晴天で日差しを強く、
秋だけど少し暑いくらいの天気だった。
初めての大学にドキドキ♡しながら友達と校内へ。
たくさんの人・たくさんの屋台が広がっており、
何も分からずきょろきょろしていると
「あゆみちゃーん(私)こっちこっち」
と声がして振り返ると先輩が焼きそばを持って走ってくる
「暑いでしょ?俺たちのテントに入ってていいよ」
と言ってくれたから、友達と一緒にテントの中へ。
テントの中には野球部のメンバーたちがたくさんいて、
その中にA君もいた。
A君は隅っこの方で他のメンバーと話していた。
A君をみた瞬間私は
“かっこいい♡”
って思ったけどA君とは特に何も話さず、
先輩や先輩の友達が持ってきてくれたかき氷や唐揚げを
食べながら先輩たちと学園祭を楽しんだ。
夕方になるにつれて日が落ち、肌寒くなってきた。
昼間暑かったから半袖で来てしまってた私は
“ちょっと寒いな”と思いながらテントで座っていると、
後ろから
「すみません。よかったらこれどうぞ」
…?振り返るとA君がひざ掛けを差し出してくれていた。
ちょっとドキッとしたけど平然を装い『ありがとう』とだけ
返してひざ掛けを受け取った。A君と初めて交わした会話。
でもそのあとも特に会話はせず学園祭も終わり、
帰る時ひざ掛けを返そうと思ったらA君ももういなかった。
名前くらい聞いとけばよかったなーと少し後悔しながら
先輩に
「背が高くて、サルっぽいけどイケメンだった人に返しててー」
とA君の特徴を伝えてひざ掛けを渡して帰った。